Télescope(テレスコープ)



日曜日もくつろげるカフェ探訪、3軒目にして日曜定休日のカフェです。が、それでも紹介したいカフェの香りが漂うスペースがこちらの “Télescope(テレスコープ)” 。
「望遠鏡」という名前のカフェはパリのエスプリならぬニューヨークのインスピレーションを持つカフェです。
1900年代、パリのベル・エポック( ”古き良き” 時代)の残り香漂うパレ・ロワイヤルのすぐ脇にあって、目立つ看板は何ひとつ立てていないにもかかわらずひっきりなしに人が訪れます。

小さなカフェ・スペースはさりげなさが身上とでもいうように、リシュリュー通り(rue de Richelieu)とサント・アンヌ通り(rue de Sainte-Anne)をつなぐヴィルド通り(rue Villedo)でささやかに営業中。
あまりにさりげない外観に、ともすると通り過ぎてしまいそうですが心配無用。カフェを求めて通りに入れば、漂ってくるコーヒーの香りが看板代わりです。すぐにそこが目指すカフェ・テレスコープとわかることでしょう。


小さいけれども懐の深いカフェ・スペース

店内を見渡せるガラスには「Télescope」と書かれ、それが外からわかる唯一の看板。ベビーブルーの木枠の扉をぐいっと押し開けて中へ入りましょう。
小さなカフェ・スペースは4〜5人がけのテーブルが1つ、そして2人がけのカフェテーブルが7組。全部で8組20人弱のキャパシティと思われるかもしれませんが、そこはフランス。テーブル席への相席も一声かけて、座ってしまうのもありですよ。

テーブル席がパッと見、満席のようでもまだ大丈夫。実際にはスイーツケース前はスタンディングのカウンター席となっているし、その脇には4人くらいが腰をかけられるベンチがおいてあるから美味しい1杯を求めるなら躊躇せず奥へ進みましょう。
外から見て席がないかも…?と思っても一応ドアを開けて尋ねて見れば1、2人分のスペースはあるなど、カフェ・テレスコープは見た目より懐が大きいのです。


シンプル、モダン、アンティーク

通りに面したベビーブルーの色は店内にも続いています。エスプレッソ・マシーンやスイーツケースの置かれたカウンターも同じ色で統一感と透明感のある雰囲気を作っています。
梁をすのこのように並べた天井は木材をリサイクルでもしたのか、味わいのある風合いが特徴的。それを白いペンキで塗ってあるので、店の中は本当に明るい。ヨーロッパ的な間接照明はどこへやら。ひたすら明るく、シンプルにカフェを楽しむための空間が用意されているのです。
友人と連れ立っておしゃべりに興じるも良し、1人で来てカウンター席でサッと飲んでサッと立ち去る粋な飲み方もまた良し、です。

焙煎コーヒー豆 Son café maison (Ngunguru du Kenya) 

テレスコープで出されるカフェはケニヤの「ングングル」。酸っぱい。フレッシュな香りと想像に反する酸味に面食らってしまいいました。もちろん、酸化した酸っぱさとはまったく違う酸味。アセロラのように主張する酸っぱさは好きな人にはたまらない味です。
ケニヤのコーヒー豆の特徴が余すことなく味わえるのも、1杯ごとに豆を挽いてくれるから。レギュラーの「ングングル」の他には季節ごとにセレクトした手摘みのカフェを提供しているので酸味のきつい味に躊躇するのであれば、バリスタのニコラ・クラーク氏にお尋ねあれ。カフェのあるピラミッド近辺は日本人街というほど日本人が多いので、たどたどしいフランス語でも英語でも慣れたもの(なのではないでしょうか)。

ここでマシンの紹介もしておきましょう。テレスコープのエスプレッソマシーン La Marzocco(ラ・マルツォッコ)はイタリア中部のフィレンツェに本社がありながら、イタリアよりもむしろシアトルなどの北米で人気の高いエスプレッソマシン。北米はエスプレッソよりもカプチーノが好まれる地域で、マルゾッコのマシンはスチームと抽出を完全に切り離したダブルボイラーシステムが特徴。このマシンで抽出されたテレスコープのエスプレッソはクリーミィでフレッシュ。たまりません。


ケバブ後の1杯

テレスコープに昼時にいる客はたいてい食後の1杯を求めてやってきます。だから店にあるのはフードよりもスイーツ。
酸味のあるカフェによく合うアメリカン・スイーツはどれもおすすめ、絶妙な風味でなかなかのものです。ドライ・フルーツ入りのミニ・クイニー・アマン、アメリカン・クッキーにミニ・レモン・ケーキ…
中でも人気は「スティッキーバン」。ペカンナッツやクルミを砕いて黒砂糖とバターで作った粘り気のある(スティッキー)シロップと混ぜて、シナモンロールの土台にこれでもかとかけたもの。甘い!そして酸味の強いカフェと合う!
近所のおしゃれケバブ屋 "Grillé" の客が食後の美味しい1杯とスイーツを求めてやってくるというのですが、ガツンとケバブを食べた後にこの甘さを胃に収められる強さはヨーロピアンと思わざるを得ません。

日本人旅行者にオススメのポイントは、お店が清潔でトイレも清潔、観光地のど真ん中にあるということ。
無料Wi-fiはありませんが、酸味の強い美味しいカフェが約束されています。
パリにある普通のカフェと同様に、こちらでは現金払いがおすすめ。
韓国スーパーも近所にあるので日本食が恋しくなった旅の終わりに訪れてもいいかもしれません。
パレ・ロワイヤルの観光後にどうぞ。

“Télescope”
5 rue Villedo Paris 75001
http://www.telescopecafe.com
https://www.facebook.com/telescopecafe/
https://twitter.com/telescopecafe

Horaires 営業時間

Lun(月): 08:30 - 17:00 
Mar(火): 08:30 - 17:00
Mer(水): 08:30 - 17:00 
Jeu(木): 08:30 - 17:00 
Ven(金): 08:30 - 17:00 
Sam(土): 09:30 - 18:30
Dim(日): fermé 定休日

Menu / Cafés (euros)

café filtre : xx euro (バリスタにお尋ねください)
espresso : 2.5euro
café noisette : 3.0euro
café crème : 4.0euro
thé : 5.0euro
jus : xx euro (バリスタにお尋ねください)
chocolat chaud : 5.0euro
(2017年02月時点)

Press

Télescope | Good Coffee in Paris - Atom
http://www.goodcoffeeinparis.com/2012/12/premiere-etape-telescope.html

Belleville Brûlerie - Paris

https://cafesbelleville.com

Télescope | Le blog de Gilles Pudlowski

http://www.gillespudlowski.com/79628/rendez-vous/paris-1er-un-cafe-au-telescope

Stcky bun のレシピはこちらに公開されています。

http://www.lesgourmandisesdisa.com/2013/02/sticky-buns.html


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