Le Barbouquin(ル・バルブカン)



ぼんやりアイディア出しをしたい日曜日、”Le Barbouquin(ル・バルブカン)” はいかが?

最寄りはメトロ11番線・9番線の Belleville ベルビル。東西を走る 通りにアラブ商店、南北に走るベルビル通りに中華レストランが連なる2つの通りの交差点周辺には、日本含むアジア食材を取り扱う中華系のスーパーマーケットがいくつも集まります。故郷の味を求めて多くのアジア人が買い出しに来る雑多なエリアの裏通りにあるのがカフェバー、ル・バルブカンです。

街は食も宗教施設もごった煮。聖母教会のすぐそばにユダヤ教会、イスラムのモスクがそれぞれスープの冷めない距離にある様子はとてもフランス的、というかパリ的といえます。少し南へ下るとサン・マルタン運河があり、オサレなバーやカフェ、ブティックのある、いわゆるBOBO ボボ地区。

ル・バルブカンをキャッチーに表すと、ボボ的(BOBO: Bourgeois bohemian ブルジョワ・ボヘミアンの略ですが、ニュアンスはもっと複雑)なブックカフェ。「本が好き、アーティストのクリエイティビティを応援したい、なにより美味しいものを気軽に食べたい、美味しいカフェとともに。」という人にはたまらない、本に囲まれる至福の時間が待っています。



読書席・PC席・おしゃべり席

ル・バルブカンはその名の通り(Bar Bouquin : 本のバー)店主セレクトの本が雑多に並んだ「ブック・カフェバー」。テーブルも椅子も、それぞれバラバラですが木の温かみが感じられるという点では統一されています。特にベルベット生地で張られた座面のある低めの椅子は、深みのある青や黄色と木目の組み合わせが美しく目を引くデザイン。座り心地も良いので、延々と読書をしてもお尻が痛くならないのは大事なポイント。ただし、セットされたテーブルが低く、深く座るタイプの一人掛けソファに近い椅子なのでPC作業には向いていません。残念。
コワーキング・スペース的に使いたい人は入り口から奥にあるベンチ席がおすすめ。広いテーブルにベンチがセットされているので人が少ない時は資料を広げて作業に没頭できます。人との打ち合わせやおしゃべりなら壁際のエリアにある、小さなテーブルと椅子の2人席へどうぞ。それぞれの椅子の向きが工夫されていて、席同士の間隔は近いのに周囲の視線が気になりません。





ブリコラージュ族の憧れ、ワイン箱ブックシェルフ

ル・バルブカンはひとつは店内のいたるところに本棚が据えられ、客は好き勝手にそれを読んでOKというタイプのブックカフェ。程よい乱雑さのある棚づくりは本好きの友人宅に遊びに来たような気分になります。個人的に注目したいのは壁際の本棚。こちらなんと素材はワイン箱。このワイン箱を使った本棚はフランスでは王道のブリコラージュ(bricolage: DIYで自宅の小〜大規模な改装をすること。自分でロフトを作ってしまう人もいるほど、フランスではメジャーな趣味、習慣)です。フランスで本好きでブリコラージュも嗜む人が一度は考えるといっても過言ではないかも。
ワインカーヴやスーパーでなくシャトーやドメーヌなどの生産者から直接箱買いするとついてくる丈夫な木箱は、重量を支える本棚にぴったり。ワイン箱をセンスよく配置したブックシェルフの側は、本に囲まれて読書・カフェタイムを過ごしたい人のお気に入りの席となること間違いなしです。


美味しいもの大好きマダム・ユザンのセレクトメニュー


メニューに載ったすべては美味しいもの好きなオーナー、マダム・ユザン Mme. Yohanna Uzan が吟味したもの。抹茶やスパイスなどフランス人の好きな外国の味も取り揃えています。

甘さ控えめボリュームたっぷりのスイーツはどれもこれも、お店の手作り。いつ行っても選べるだけの種類と数がケーキ皿に盛られているのが嬉しいところ。選ぶ余地のない時はどれにするか選べる方が幸福度は絶対的に高いのです。スイーツを一緒に頼めば長尻族もラップトップや読みかけの本を片手に良心の呵責なく堂々と長居できますよ。

遅く起きた日曜日、ル・バルブキンでブランチからティータイムへ流れ込むのもおすすめ。ベーグルサンドとスープ、サラダのセットはもっちり感でたっぷり具材。そそられた食欲に任せて、少しお行儀悪く多めに頬張るのが美味しい食べ方です。

飲み物については、ひと言。カフェとショコラ・ショ(ココア)はしっかり熱々なのですが、その他のあったかい飲み物はわりとぬるめ。フランスの朝の代名詞「ぬるいカフェ・オ・レ」と同じ優しい温度で出てくるので、熱々大好き人間であればカフェをオーダーしておきましょう。



壁はアート・ギャラリー


ワイン箱でできた本棚の反対側にはポストカードを連ねたモジュール、作家の一点ものアクセサリーが彩るボード、窓際のカウンター席のテーブルの上には小冊子やポストカード、作家ものの小物などが飾られていて、店内の壁はちょっとしたギャラリーとしても機能しています。

アクセサリーや小物など値段の付いているものはお店で買えますし、アート情報などが載っている小冊子は持ち帰り自由なものもあるので、もし気に入ったものがあればまずはお店のスタッフに訪ねてみましょう。

英語のできるスタッフもいるので(パリでは英語対応可のカフェがかなり増えてます)、臆せず話しかけるべし!「素敵でしょ?」と思って店に置かれているものなので、「素敵ですね!」と話しかけるのは最上のコミュニケーションなのです。



ウッドストックの雰囲気が心地よい、と評する人もいるこちらのカフェ。本と同じ手触りのテーブルと椅子、主張しすぎないアート作品に囲まれて過ごす時間は穏やかのひと言に尽きます。ベルビルのエアポケット、ル・バルブカンのご紹介でした。


“Le Barbouquin”
1 Rue Denoyez 75020 Paris, France
Tél. +33 09 84 32 13 21
Fermeture hebdo. : non
Métro(s) proche(s) : Belleville
Site: non

Horaires 営業時間
Lun(月): 09:00 - 19:00
Mar(火): 09:00 - 19:00
Mer(水): 09:00 - 19:00 
Jeu(木): 09:00 - 19:00
Ven(金): 09:00 - 19:00
Sam(土): 10:00 - 20:00
Dim(日): 10:00 - 20:00

Menu
>> café
Café (espresso) : 2.2euro
Café Noisette (epresso + milk) : 2.4euro
Café Crème : 3.5euro
Cappucino : 4.5euro
Latté : 4.0euro
※「Café Noisette」はエスプレッソに熱していない牛乳を入れた小さなカップの飲み物(noisette: ヘーゼルナッツ、の色をしたカフェの意)
※「Café Crème」はエスプレッソに熱した牛乳を入れた大きめカップの飲み物

>> thé et autres
Thés Organic : 3.5euro
Tchaï Latté : 4.7euro
Maccha Latté : 4.9euro
Hot Crazy Ginger : 4.7euro
Orange Pressée : 4.5euro
Citronnade : 4.0euro


Press
Le Barbouquin, Paris XXème | C'est un Jour pour
https://cestunjourpour.com/2016/03/14/le-barbouquin-paris-xxeme/

Paris ZigZag | Insolite & Secret | Le bar où bouquiner
https://www.pariszigzag.fr/sortir-paris/bars-cafes-terrasses-paris/barbouquin-paris-20

L. pour la pépite de Belleville : Le Barbouquin | L& insolente
https://jesuislinsolente.com/2015/03/12/barbouquin-librairie-cafe-belleville-paris/

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